一から分かるオーバーホール特集

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Q7.良い業者と悪い業者の見分け方はある?

A.あります。具体例を要チェック!

オーバーホールの作業工程や内容はおおまかには同じですが、お店(業者)によって設備や工具の質、技術力が異なります。
当然、品質や料金など、お店によって違いが出てきます。
うがった見方をすれば、作業内容が見えないので、手抜きをされても気が付くこともありません。

では、良い業者とはどういう業者でしょうか?
具体的に挙げてみましょう。

【良い業者とは?】
■メーカー指定の講習を受け、メンテナンスをする資格を許可されている。
■メーカー指定の特殊工具を含め、適切な作業工具を所有している。
■生産物賠償責任保険、受託者賠償責任保険に加入している。 
■作業した箇所、内容、器材の状態がわかる整備記録を発行している。
■メーカー指定の正規パーツへの交換を行っている。例外がある場合はOEMパーツを使用する際、お客様に説明と交換可否の確認をきちんと行っている。
■メーカーに返却しなければならない(ワランティー適用時、返却が義務づけられている)場合を除き、お客様に交換済みのパーツを返却している。
■交換したパーツの品番・単価・個数といった明細が明記されている。
■整備記録を保管し、アフターフォローを行っている。

ただ、これは一般ユーザーからは見えない部分もあるかもしれません。
そこで、電話やメールなど、問い合わせの返答で「ちょっとあやしいかも」というQ&Aの具体例を挙げてみます。

【電話対応でピンとくる悪い業者】

Q.どれくらいかかりますか?
A.即日、もしくは翌日
→きちんと一連の作業をやろうと思えば3~4日はかかります。

Q.いくらくらいかかりますか?
A.見てみないとわかりませんorやってみないとわかりません
→もちろん、最終的にはやってみないとわかりませんが、毎回交換しなければならない最低限の部品は決まっているので、メーカー名や機種名から、概算見積りを出すことは可能です。

ただ、見積もりを出してもらっても、終わってみたら見積もりよりはるかに高くなってしまったというのでは納得いきません。
オーバーホール中に、追加で必要な場合は、必ず事前連絡が欲しいと伝えておくとよいでしょう。

つまり、日数を費用がぼやかすようなお店はあやしいので、しっかり確認がとれたら申し込みましょう。
また、あまりにも低い費用の場合も要注意です。

最後に、トラブルの実例をご紹介します。
悪い業者を回避するための参考にしてください。

【実際にあったトラブル】

■メーカーから無償交換の指示があったにもかかわらず交換されていない。
■メーカー指定の部品無償交換の期間だったが、お客の自己負担(有料)で交換することになってしった。
×
メーカー指定の講習を受けず、無資格でオーバーホール。
資格所有者なら、正規パーツを入手したり、アップデート情報(リコール等含む)が定期的に入ってくるため、常に最新情報のもとで運営されています。

■径の違う工具を使用したことによる金属ナメ。角が潰れてしまい工具がかまなくなり、外れなくなったり、取り付ができなくなったりして、交換せざるを得ない状況に。通常交換しない金属部品は高額な傾向にあるが、お客の負担となり……。
×
適切でない工具を使ってオーバーホールしているお店があります。
適正な工具を、正しい方法で使用しなれば、器材を傷める原因となります。
作業跡を見れば一目瞭然です。

■異なる硬度のOリングの使用が原因で、飛び出し、切れが生じている。
×
誤ったパーツを使用して、オーバーホールをしている店があります。
汎用のOリングなど手に入るパーツがあるため、メーカー指定パーツでないものが入っていることは珍しいことではありませんが、Oリングは径だけでなく硬度という点でも種類があります。径だけ合わせればOKであると思い込み、硬度について知らない人も少なくありません。また、Oリングにはすべてグリスを塗るものだと勘違いしていることも多く、塗る必要のないところに塗るとトラブルの原因になります。

オーバーホール特集

■オーバーホールしたにもかかわらず、ダイビングでフリーフロー。点検・分解したところ、中部には塩の結晶・緑錆あり、Oリングはへたり・硬化あり、製造終了でアップグレードを要する箇所には旧の部品が入ったまま。ゴムシート(LP)を裏返しにして取り付けされていました。
×
すべての部品を分解・洗浄・組立せずに、一部だけ作業することをオーバーホールと呼んでいるお店があります。
一つの判断基準としては、メーカーに返却しなければならない(ワランティー適用時、返却が義務付けられている)場合を除き、一連の作業を行っているお店は、交換済みのパーツをすべて返却してくれます。

■作業内容や器材の状態の把握のために、他店のオーバーホール明細を見ると、パーツの品番は無記入、各パーツの単価が定価の2~5倍になっていた。
×
交換したパーツの品番・単価・個数といった明細を明らかにしないお店は要注意!
明細提示を細かくされなくても明朗会計なお店はたくさんありますが、できれば交換済みの返却パーツと伝票の明細を照らし合わせて自分自身でも確認できるお店は安心です。

■オーバーホール後に初めて器材を使用したところ、エアーを通したら突然セカンドステージの部品が飛び出した。器材の構造から検証したところ、一部品を入れる向きが反対に取り付けされていたよう……。1stステージ内のポペットスプリングが入っていない(入れ忘れ)という事例も。               
×
十分なトレーニングを積まれていない人が作業されている場合があります。(部品の入れ忘れ・入れ間違い)
分解図通りに、部品をもれることなく組み上げることは最低限ですができていない場合もあります。

■生産物賠償責任保険、受託者賠償責任保険に加入していない。
×
修理・調整のため預かった器材に、火災・盗難・破損などの事故が発生した場合に備え、お客様への補償が準備されていなければいけません。
メーカーから認可を受けているお店は保険加入が義務付けられています。

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